2025年7月05日
便秘でお悩みの方へ
便秘は、多くの方が悩まされる身近な症状のひとつです。「数日に一度しか排便がない」「出てもスッキリしない」「お腹が張ってつらい」といったお悩みはありませんか?便秘は生活の質を下げるだけでなく、大腸の病気が隠れていることもあるため、軽視せず適切な診断と治療が大切です。
便秘とは?
「便通異常症診療ガイドライン2023ー慢性便秘症」では「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」と定義されています。
少しわかりにくいですね。たとえば、「排便が週に3回くらいしかない」や「排便時に強くいきまないとでない」、「少ししかでず、残便感がある」などの症状のことを言います。症状の観点から「排便回数減少型」か「排便困難型」に分類されます。
よくある便秘の症状
- 3日以上排便がない
- 排便後も残便感がある
- 硬い便やコロコロした便しか出ない
- 強くいきまないと出ない
- お腹の張りや痛み
便秘の原因
便秘にはさまざまな原因があります。以下のようなものが主な要因です。
- 食物繊維や水分の不足
- 運動不足
- ストレスや生活リズムの乱れ
- 加齢による腸の動き、筋力の低下
- 大腸がんや腸閉塞などの器質的疾患
- 内科的疾患(糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病など)
- 薬の副作用(鉄剤、痛み止め、向精神薬など)
特に高齢者では便秘の背景に重大な病気が隠れていることがあるため、注意が必要です。
どんな検査が必要?
便秘の原因を正しく見極めるため、以下のような検査を行うことがあります。
- 血液検査(甲状腺や電解質の異常の確認)
- 腹部X線検査
- 腹部超音波検査(エコー)
- 便潜血検査
- 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
当院では、最新の内視鏡機器(FUJIFILM EC-860ZP/M)を用いた大腸カメラを導入しており、大腸がんやポリープの有無も正確に診断できます。必要に応じてポリープの切除も可能です。
便秘の治療法
原因に応じて、以下のような治療を行います。
- 生活習慣の見直し(食事、運動、水分摂取など)
- 薬物療法(酸化マグネシウムなどの下剤)
- 漢方薬の処方
- 便秘に関連する基礎疾患の治療
- 内視鏡による精密検査の実施
便秘薬は市販でも手に入りますが、誤った使い方はかえって腸の機能を低下させてしまうこともあります。特に、市販の刺激性下剤を常用していると徐々に薬が効かなくなり便秘が悪化します。専門的な評価のもとで適切な治療を受けることが大切です。
まとめ|便秘はがまんせずご相談ください
たかが便秘と思われがちですが、日常生活に支障をきたすことも多く、放置することで重篤な病気を見逃すリスクもあります。便秘に悩む方は、ぜひ一度ご相談ください。
東戸塚駅から徒歩圏の藤野クリニックでは、丁寧な問診と的確な検査で、便秘の原因を見極め、個別に対応した治療をご提案しています。どうぞお気軽にご受診ください。