2025年6月19日
食道がんとは
食道がんとは、喉と胃をつなぐ食道にできる悪性腫瘍のことです。
食道がんは食道の最も内側の粘膜から発生します。食道に発生したがんは徐々に大きくなっていき、食道の外側へと広がっていきます。これを浸潤といいます。また、食道の壁内にあるリンパ管や血管からがん細胞がとんでいきリンパ節や他臓器にうつります。これを転移といいます。
日本人の食道がんの90%が扁平上皮癌というタイプです。その他に腺癌というタイプなどがあります。欧米では腺癌が増加傾向にあり、約半数を占めています。
食道がんは食道の真ん中くらい(胸部中部食道:約47%)に発生することが多いです。
また、同時に複数のがんが発生していたり、繰り返しがんができることがあります。
リスク因子(危険因子)
扁平上皮癌と腺癌でリスク因子が異なると言われています。
食道扁平上皮癌のリスク
喫煙、飲酒、高齢、男性、Flusher(少しのお酒で顔が真っ赤になり、動悸、吐き気、頭痛がする人)、食道アカラシア(機能異常の病気)などが関与していると考えられています。
食道腺癌のリスク
逆流性食道炎による下部食道の持続的な炎症が引き起こすバレット上皮(食道粘膜が胃の粘膜に置き換わるもの)が発生母地として知られています。
また、BMIや喫煙などが関与していると言われています。
症状
はじめは自覚症状がないことがほとんどです。がんが進行するにつれて、何かを飲んだ時や食べた時の違和感や痛み、つっかえる感じ、咳、声のかすれ、吐血、体重減少などの症状がでます。
早期発見には症状がないうちに胃カメラ検査を受ける必要があります。
検査
食道がんの検査は胃カメラ検査が基本です。
胃カメラでは同時に生検を行い、確定診断を行うことができます。
進行したがんの検査には、CT検査やPET-CT検査などを行い転移があるか調べます。
治療
食道がんの治療は内視鏡治療、外科手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)が挙げられます。
進行や併存疾患、体力、ライフスタイルなどを考慮して治療方針を決定します。
早期がんの治療のほうが身体への負担は少ないため回復も早いです。