2025年7月17日
黒い便が出た方へ|東戸塚 藤野クリニック
トイレでの排便時、「いつもより便が黒く見える」「タールのようにねばっとした真っ黒な便が出た」と感じたことはありませんか?
それは「黒色便(こくしょくべん)」または「タール便」と呼ばれるもので、消化管のどこかから出血しているサインの可能性があります。
特に胃や十二指腸など、上部消化管からの出血の際に見られることが多く、放置すべきではない重要な症状です。
黒色便とは?
黒色便とは、消化管内で出血が起き、血液が消化液で変化(酸化)して黒くなった便のことを指します。特に以下の特徴があります。
- 黒くて光沢があり、タール(アスファルト)のような見た目
- 独特の悪臭を伴うことがある
- 継続的に排便されることもある
これは、出血源が胃や十二指腸、小腸のように口側(上部)にあることが多いというサインです。
黒色便の主な原因
黒色便の原因はさまざまですが、特に以下の病気が重要です。
消化管出血を起こす疾患
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 食道がん
- 胃がん
- 十二指腸がん
- 食道静脈瘤破裂・胃静脈瘤破裂
- NSAIDs(痛み止め)や抗血栓薬による薬剤性胃炎
- 出血性胃炎
その他の原因
- 鉄剤の服用
- 活性炭や一部のサプリメント摂取
※鉄剤などが原因で便が黒くなることもありますが、タール状ではなく、形やにおいが通常と変わらないことが多いです。不安な場合は医師にご相談ください。
どんな検査が必要?
黒色便を認めた場合、まずは上部消化管の出血を疑い、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を行います。
主な検査内容
- 胃カメラ(内視鏡検査):胃や食道・十二指腸からの出血源を調べます
- 血液検査:貧血の有無や出血の程度を確認
- 必要に応じて腹部エコーやCT検査
当院では、FUJIFILM社製の最新型スコープを使用し、鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しております。実際に出血点がみられた場合は、止血処置を行うこともできます。
また、出血量が多いと判断した場合や重症な場合はただちに連携病院に連絡し搬送します。
黒色便が出たらどうすればいい?
- 1回でも黒色便が出た場合は、自己判断せず受診を
- 出血が続いていると、貧血やふらつき、動悸などの症状を伴うことも
- 特に高齢者や抗血栓薬を服用している方は重症化のリスクが高いため注意が必要です
まとめ|黒色便は消化管出血のサインです
黒色便は、胃や十二指腸などの病気が原因であることが多く、放置すると重篤な状態に陥る可能性もあります。
「一度きりだから大丈夫」と思わず、早めの受診と適切な検査を受けましょう。
東戸塚の藤野クリニックでは、消化器内視鏡専門医が丁寧に診察・検査を行い、原因に応じた治療を提供しています。どうぞお気軽にご相談ください。