2025年8月09日
大腸ポリープとは
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる“いぼ”や“突起”のことです。多くは良性(がんではない)ですが、中には将来的にがん化するものもあります。特に腺腫性ポリープは、大腸がんの原因となることが知られており、早期の切除が重要です。
大腸ポリープの種類
- ・腺腫性ポリープ
最も多く、放置するとがん化する可能性があります。 - ・過形成性ポリープ
小さく、がん化のリスクは低いですが、大きい場合や部位によっては注意が必要です。 - ・炎症性ポリープ
炎症に伴ってできるもので、がん化はまれです。 - ・Sessil serrated lesion(SSL)
白色の平坦な病変であり、比較的見つかりにくい病変です。大腸がんの原因になることがあるため切除が勧められます。 - ・Traditional serrated adenoma(TSA)
赤みの強い、松毬やサンゴのような形をした病変です。癌化する可能性があり切除します。 - ・炎症性ポリープ
炎症に伴ってできるもので、がん化はまれです。
症状
多くの場合は無症状で、便潜血検査や大腸内視鏡検査で偶然見つかります。
大きくなると以下の症状が出ることがあります。
- ・血便(鮮やかな赤い血)
- ・下痢や便秘などの便通異常
- ・腹痛(まれ)
見つける方法
- 便潜血検査
ポリープからの微量な出血を調べますが、陰性でもポリープがあることがあります。大腸ポリープがあれば約30%が陽性になると言われてますが、逆に70%程度の方はポリープがあっても陰性となってしまいます。 - 大腸内視鏡検査
最も確実な検査です。検査中にその場で切除が可能です。
治療
ポリープが見つかった場合、多くは内視鏡的に切除します。
- ・Cold Snare Polypectomy(CSP)
- ・内視鏡的粘膜切除術(EMR)
- ・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
大きなポリープや平坦型病変に適用されます。
当院では大腸カメラを行い、見つけたポリープに対してはCSPやEMRを行い切除します。ポリープが巨大な場合や癌を疑う場合などはESDや外科手術などの治療が必要になるため総合病院にご紹介させていただきます。
放置するとどうなる?
腺腫性ポリープは、数年〜十数年かけてがんになることがあります。
「小さいから大丈夫」ではなく、見つかったら早めに切除することが大腸がん予防につながります。
再発予防とフォローアップ
ポリープ切除後は、1〜3年ごとの大腸内視鏡検査が推奨されます(個数や大きさによって間隔は異なります)。
まとめ
- ・大腸ポリープはほとんどが無症状のため、症状がないからといって安心できません。
- ・腺腫性ポリープやSSLは将来がんになる可能性があり、切除が必要です。
- ・大腸カメラは発見と同時に治療が可能で、大腸がん予防に有効です。
健診で便潜血陽性が指摘された方や、大腸がんの家族歴がある方は一度大腸カメラの検査を受けることをおすすめ致します。また、過去に検査を受けたことがある方も定期的な検査をおすすめ致します。