2026年1月09日
潰瘍性大腸炎とは
大腸の粘膜に炎症が起こり、血便や腹痛、下痢などの症状があらわれる疾患です。現時点では、原因ははっきりわかっていません。30歳以下の成人に多いですが、小児や50歳以上の年齢層にもみられます。
国が定める指定難病の一つであり、長期的な治療が必要です。
主な症状
以下のような症状がみられます。
- ・血便、粘血便
- ・腹痛
- ・発熱
- ・便意切迫(すぐにトイレに行きたくなる)
- ・排便回数が増える
また、稀に腸管以外の合併症がみられることもあります。例えば、壊疽性膿皮症、ぶどう膜炎、強直性脊椎炎、多発性関節炎、原発性硬化性胆管炎など
潰瘍性大腸炎の分類
炎症の範囲による分類
潰瘍性大腸炎は大腸のお尻の方から始まり、口側にかけて炎症が連続していることが一般的です。炎症の広がり具合で以下のように分けられます。
- 直腸炎型:炎症が主に直腸S状部までで留まっている
- 左側大腸炎型:脾弯曲部まで
- 全大腸炎型:上記以上に炎症が広がっている
重症度による分類
排便回数や血便、発熱、頻脈、貧血、血液検査(赤沈またはCRP)を参考に以下の3つに分類します。
- 軽症
- 中等症
- 重症
この分類は難病法による医療費助成にも関わってきます。
潰瘍性大腸炎の検査・診断
潰瘍性大腸炎の診断には、複数の検査を組み合わせて行います。
主な検査
- 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
- 血液検査
- 便検査
- 腹部超音波検査
- 腹部CT検査
大腸内視鏡検査の重要性
大腸内視鏡検査は、潰瘍性大腸炎の診断に欠かせない検査です。
粘膜の炎症の有無や広がり、重症度を直接観察でき、組織検査を行うことで他の病気との鑑別にも役立ちます。
また、治療効果の判定や再燃の早期発見のためにも、定期的な内視鏡検査が重要とされています。
潰瘍性大腸炎の治療について
潰瘍性大腸炎は、症状を抑え「寛解状態」を維持することを目標に治療を行います。
病状や重症度に応じて、適切な治療法が選択されます。
治療の一例
- 内服薬による治療
- 坐薬・注腸製剤による局所治療
- 外科的治療
症状や経過によっては、専門医療機関と連携し、より専門的な治療を行う場合もあります。
定期的な大腸内視鏡検査の重要性
症状が落ち着いている場合でも、大腸内に炎症が残っていることがあります。
定期的な大腸内視鏡検査を行うことで、
- ・再燃の早期発見
- ・治療効果の確認
- ・長期経過例における大腸がんリスク管理
が可能となり、安心して治療を継続することにつながります。
このような症状がある方はご相談ください
- 血便や下痢が続いている
- 腹痛や便通異常が改善しない
- 潰瘍性大腸炎と診断されたことがある
- 定期的な大腸内視鏡検査を受けたい
気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。
当院での潰瘍性大腸炎診療について
当院では、消化器内視鏡を専門とする医師が診療を行っています。
患者さまの状態に応じて、鎮静下での大腸内視鏡検査にも対応し、できる限り負担の少ない検査を心がけています。
また、病状に応じて高次医療機関と連携し、長期的な視点でのフォローアップを行っています。