2025年6月02日
当院の内視鏡設備
当院はFUJIFILM社製の内視鏡を使用しております。
胃カメラはEG-860Z、大腸カメラはEC-860ZP/Mと最新型のスコープ(2025年販売開始)を使用しております。
画質はもちろん、大腸カメラに関しては挿入性にも優れております。術者が挿入しやすいということは患者さんにも楽である、となります。
どちらも拡大観察機能を搭載しております。
胃カメラ
胃カメラ EG-860Z は口からのスコープになりますので、必ず鎮静剤を使用して眠った状態で検査を受けて頂きます。(なかには鎮静剤を使用せずに検査を受けられる患者さんもいらっしゃいますが…)
なんらかの理由(高齢、心臓や肺のご病気をお持ちの場合、など)で鎮静剤が使用しにくい場合は先端部が5.8mmの経鼻スコープ(EG-840N)を使用しての検査を行い、苦痛を少なくすることができます。
大腸カメラ
前述の通り、当院では基本的にはEC-860ZP/Mを使用しております。
患者さんによっては、大腸が長く奥までカメラが入らない方、大腸憩室が多発して繰り返し炎症を起こして大腸が固くなっている方、手術後で大腸が癒着(腹膜などにくっついてしまうこと)している方がいらっしゃいます。そういった患者さんには固くて太いスコープはやや挿入しづらいため、当院ではロングスコープも用意しております。このロングスコープは通常サイズよりも細くて長く、通常スコープで入らない、苦痛が強い患者さんに有効です。挿入が難しかった患者さんがロングスコープを使うことで容易になるケースも多々あります。
検査時の二酸化炭素送気
また、検査では二酸化炭素ガスを使用します。観察する時は、大腸を膨らませて中を見ていきますが、その際に通常の空気を使用してしまうとお腹が張ってしまい苦しくなります。二酸化炭素は速やかに吸収され、息を吐くときに排出されます。そのため二酸化炭素ガスを使用することで検査時の腹部膨満を防ぐことができます。
拡大観察とは
当院のスコープは通常の汎用型スコープと違い、拡大観察機能を搭載しております。
高倍率のズーム機能により、粘膜構造や微小血管構造の観察が可能となります。狭帯域光観察(FUJIFILM社のBLI、OLYMPUS社のNBI)と併用することで、粘膜や微小血管に不整がないかを見て癌か癌ではないか判断しております。診断がより確実になること、不要な組織生検がなくなることがメリットとして挙げられます。
当院では基本的には拡大観察機能を搭載した胃カメラ(EG-860Z)、大腸カメラ(EC-860ZP/M)を使用しており、BLI併用拡大観察で病変の質的診断を行っております。患者さんによっては、あえて異なるスコープを使用する場合もあります。
AIについて
近年、医療においてもAIが増えてきております。
内視鏡分野にもAIがあります。当院では現在採用しておりませんが、大腸カメラにおいてAIによる診断補助が保険収載されております。私もデモ機を見学したことがありますが、個人的な意見としては、もう一歩と感じました。そもそも病変を視野に写さないと当然検出されませんし、大腸では病変がわかりやすく医師が見つける方が早いのではないかと思います。
また、胃カメラにおけるAI診断補助は精度が不十分であり、実際にも保険収載されておりません。早期胃癌は熟練した内視鏡医でも発見が難しいケースがあるというのは感じます。胃カメラにおけるAIは実用的なものが販売されれば、全国の医療機関の発見率の底上げになるのではないかと感じております。
日本が世界にリードする意味でもAI診断補助の進化に期待しております。
さいごに
当院では患者さん一人一人に合わせて、鎮静剤の量や使う薬剤、どのスコープを使用するか考えております。内視鏡検査は怖い、不安だ、という方も多いと思います。なるべく不安を取り除けるようスタッフ一同取り組んで参ります。起きた時には検査が終わってました、楽でした、と仰っていただけることを目指しております。
当院は検査の質にこだわり、尚且つ苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラをご提供します。
東戸塚で内視鏡検査をお探しの際は、是非ご検討ください。