2026年6月27日

健康診断の結果で「肝機能異常」と書かれていても、自覚症状がないためそのまま放置してしまう方は少なくありません。
しかし、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、病気が進行するまで症状が出にくい臓器です。異常を指摘されたら、一度医療機関で詳しく調べることをおすすめします。
肝機能異常とは?
健康診断では、主に次のような項目が測定されています。
- AST(GOT)
- ALT(GPT)
- γ-GTP(ガンマGTP)
これらの数値が基準値を超えると、「肝機能異常」と判定されます。
ただし、数値が高いからといって必ずしも重い病気というわけではありません。一方で、放置すると肝硬変や肝がんにつながる病気が隠れていることもあります。
肝機能異常の主な原因
1.脂肪肝
現在、最も多い原因です。
食べ過ぎや飲み過ぎによって消費しきれないエネルギーが肝臓に脂肪として溜まってしまう状態です。肝臓に脂肪がたまることで肝機能異常を起こします。昔は飲酒によるアルコール性の脂肪肝が多かったのですが、最近は減ってきました。
近年では、お酒をあまり飲まない方でも肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症といった代謝の異常を背景としたMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)、MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)が増えています。(従来のNASLD、NASH)
2.アルコール性肝障害
飲酒量が多い方では、アルコールが原因でASTやγ-GTPが高くなることがあります。
飲酒習慣の見直しによって改善する場合も少なくありません。
3.ウイルス性肝炎
B型肝炎やC型肝炎は、初期には症状がほとんどありません。
血液検査で初めて見つかることも多く、放置すると肝硬変や肝がんへ進行する可能性があるため、早期発見が重要です。
4.薬剤やサプリメント
内服薬や健康食品、サプリメントが原因で肝機能異常を起こすことがあります。
受診時には、市販薬やサプリメントも含めて医師に伝えましょう。
どのくらい高かったら受診したほうがいい?
軽度の上昇でも、一度は医療機関で相談することをおすすめします。
特に次のような場合は、早めの受診が望まれます。
- 健康診断で初めて異常を指摘された
- 毎年異常が続いている
- 数値が年々悪化している
- AST・ALTが100以上ある
- 黄疸、倦怠感、食欲低下などの症状がある
症状がなくても病気が進行していることがあるため、「様子を見よう」と自己判断しないことが大切です。
何科を受診すればよい?
肝機能異常は、消化器内科で相談できます。
問診や診察に加え、必要に応じて以下の検査を行います。
- 血液検査
- 腹部超音波(腹部エコー)
- B型・C型肝炎ウイルス検査
- 必要に応じて専門医療機関への紹介
原因を調べることで、生活習慣の改善だけでよいのか、治療が必要なのかを判断できます。
放置しないことが大切です
「少し高いだけだから大丈夫」と思っていても、脂肪肝や慢性肝炎が進行していることがあります。
一方で、早い段階で原因がわかれば、生活習慣の改善だけで正常化するケースも少なくありません。
健康診断で肝機能異常を指摘された際は、お気軽にご相談ください。
当院では消化器病専門医が診察し、血液検査や腹部超音波検査を行い、必要に応じて詳しい検査や専門医療機関への紹介まで対応しております。