2026年7月30日

アニサキス症とは
アニサキス症は、アニサキスという寄生虫(線虫)の幼虫を含む魚介類を生または加熱不十分な状態で食べることで起こる食中毒です。
日本では刺身や寿司などを食べる機会が多いため比較的身近な病気であり、年間を通して発症しますが、特に夏から秋にかけて多くみられます。
アニサキスは胃や腸の壁に食い込み、突然の激しい腹痛を引き起こします。特に胃アニサキス症では、胃カメラで虫体を摘出することで症状が速やかに改善することが多いため、早めの受診が大切です。
アニサキス症の症状
アニサキス症は何時間後に症状がでる?
多くは4~6時間後に発症します。
寄生した部位によって少し異なります。
胃アニサキス症
最も多いタイプです。
主な症状
- ・食後4~6時間程度で突然始まる激しいみぞおちの痛み
- ・吐き気・嘔吐
- ・胸痛
- ・冷や汗
「昨夜サバやイカの刺身を食べて、夜中から急に胃が痛くなった」という経過は典型的です。
腸アニサキス症
胃を通過して腸に達すると、数時間から数日後に症状が現れることがあります。
主な症状
- ・下腹部痛
- ・下痢
- ・お腹の張り
- ・吐き気
腸アニサキス症は胃カメラでは診断・治療できないため、CT検査などが必要になることがあります。
アニサキス症の原因
アニサキスはさまざまな海産魚介類に寄生しています。
代表的な魚介類には、
- ・サバ
- ・アジ
- ・イワシ
- ・カツオ
- ・サケ
- ・タラ
- ・イカ
などがあります。
魚が新鮮であってもアニサキスが寄生していることは珍しくありません。そのため、「新鮮だから安全」とは限りません。
アニサキス症の検査・診断
問診
まず、最近食べたものを詳しく確認します。
- 刺身
- 寿司
- しめサバ
- イカ
- 海鮮丼
などを食べた後に症状が出ていれば、アニサキス症が疑われます。
胃カメラ検査
胃アニサキス症では、胃カメラが最も有効な検査です。
胃カメラで虫体を直接確認し、その場で摘出できます。
CT検査
腸アニサキス症が疑われる場合には、腸のむくみや腹水などを確認するためにCT検査を行うことがあります。
血液検査・アニサキス抗体検査
血液検査だけで診断することはできません。
また、アニサキス抗体検査は過去の感染でも陽性となることがあり、急性期診断には適していません。
臨床の現場で急性の腹痛に対して用いられることはありません。
アニサキス症の治療
胃アニサキス症
最も効果的な治療は胃カメラによる虫体の摘出です。
胃壁に食い込んだアニサキスを取り除くことで、痛みは速やかに改善することが多くあります。
薬だけでは虫体を取り除くことはできないため、強い腹痛がある場合は早めの受診をおすすめします。
腸アニサキス症
腸アニサキス症では、虫体の摘出ができず症状は数日~一週間程度続くことがあります。
自然に死滅するまで点滴や痛み止めなどによる保存的治療を行うことが一般的です。
ただし、
- 腸閉塞
- 穿孔
- 腹膜炎
などが疑われる場合には、入院や手術が必要になることがあります。
市販薬で治りますか?
胃薬や整腸剤、市販の鎮痛薬ではアニサキスそのものを取り除くことはできません。
特に激しい胃の痛みが続く場合は、市販薬で様子を見るのではなく、できるだけ早く医療機関を受診してください。
アニサキス症の予防
完全に防ぐことは難しいですが、以下の方法でリスクを減らすことができます。
- ・魚は十分に加熱する(中心温度60℃で1分以上が目安)
- ・−20℃で24時間以上冷凍する
- ・魚はできるだけ早く内臓を取り除く
- ・調理時にアニサキスがいないか目視で確認する
なお、酢・醤油・わさびではアニサキスは死滅しません。
よく噛めば大丈夫?
よく噛んでいてもアニサキスが確実に死滅するとは言えません。十分な加熱か冷凍で予防しましょう。
このような症状があれば早めに受診しましょう
次のような場合は、アニサキス症の可能性があります。
- 刺身や寿司を食べた後から強い胃痛が続く
- 夜中に突然みぞおちが激しく痛くなった
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 市販薬を飲んでも改善しない
- 強い腹痛が続く
早期に診断・治療を行うことで、症状を早く改善できる可能性があります。
当院でできること
当院では、消化器内科・内視鏡専門クリニックとしてアニサキス症の診療を行っています。
- 消化器内視鏡専門医による診察
- 苦痛に配慮した胃カメラ検査(鎮静剤にも対応)
- 胃内にアニサキスを認めた場合は、その場で摘出が可能
- 土曜日の胃カメラにも対応
- 東戸塚エリアで急な胃痛にもできる限り迅速に対応
「生魚を食べた後から急に胃が痛くなった」「アニサキスかもしれない」と思われた場合は、お早めに当院へご相談ください。