2026年8月21日

暑い季節になると、「食欲がない」「胃がもたれる」「体がだるい」「疲れがとれない」など、体調の変化を感じる方が増えます。
一般にこのような夏の時期の体調不良は「夏バテ」と呼ばれています。
ただし、夏バテは医学的に一つの病気を指す言葉ではありません。
暑さや睡眠不足、食生活の変化など、さまざまな要因が重なることで、体調を崩した状態を一般に「夏バテ」と呼んでいます。
夏バテはなぜ起こるのでしょうか?
夏バテには、一つの原因があるわけではありません。主に次のような要因が重なって起こると考えられています。
1.暑さや温度差による体への負担
夏は屋外が非常に暑い一方で、室内では冷房が効いています。
このような環境の変化を繰り返すことで、体温調節などを担う自律神経に負担がかかり、疲労感や食欲低下などの体調不良につながることがあります。
2.食欲低下による栄養の偏り
暑くなると食欲が低下し、そうめんやうどんなど、食べやすいものに偏りがちです。
食事量が減ったり、栄養バランスが崩れたりすると、エネルギーや栄養素が不足し、疲れやすさにつながることがあります。
特に、糖質をエネルギーに変換する際に必要なビタミンB1など、さまざまな栄養素をバランスよくとることが大切です。
3.睡眠不足
夏は夜間も気温が高く、熱帯夜になることもあります。
寝苦しさから睡眠時間が短くなったり、眠りが浅くなったりすると、疲労が十分に回復せず、日中のだるさや疲れやすさにつながります。
夏バテでは胃腸にも症状が出ることがあります
夏バテというと「体がだるい」というイメージがありますが、胃腸の不調も夏に起こりやすい症状の一つです。
例えば、
- ・食欲がない
- ・胃がもたれる
- ・胃が重い
- ・お腹が張る
- ・便通異常がでる
といった症状です。
暑さによる食欲低下、食事内容の変化、睡眠不足、脱水などが重なることで、胃腸の調子が悪くなることがあります。
ただし、これらの症状をすべて「夏バテ」と考えてよいわけではありません。
胃炎や胃潰瘍、胃食道逆流症、感染性胃腸炎、食中毒など、別の病気が原因となっている場合もあります。
「夏バテだから」と決めつけないことも大切です
夏になると胃腸の調子が悪くなる方は少なくありません。
しかし、症状が長く続く場合や、徐々に悪化している場合には、夏バテ以外の原因が隠れている可能性があります。
特に、
- ・強い腹痛がある
- ・繰り返し吐いている
- ・血便や黒い便が出る
- ・体重が減ってきた
- ・食欲不振が長く続く
- ・胃もたれや胃痛が改善しない
といった場合には、「夏バテだから」と我慢せず、医療機関を受診しましょう。
夏の胃腸の不調を防ぐために
夏バテを防ぐためには、暑さに負けない生活を心がけることが大切です。
- ・バランスのよい食事をとる
- ・水分をこまめに補給する
- ・冷房を適切に使用する
- ・十分な睡眠をとる
- ・暑い時間帯の無理な運動を避ける
特に食欲がないときも、麺類や冷たい飲み物だけに偏らないよう、肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質や、野菜などをできる範囲でとるようにしましょう。
まとめ
「夏バテ」は医学的な病名ではなく、暑さや睡眠不足、食生活の変化など、さまざまな要因が重なって起こる夏の体調不良を表す一般的な言葉です。
胃もたれや食欲不振などの胃腸症状が現れることもありますが、長引く場合には別の消化器疾患が原因となっている可能性もあります。
「夏だから仕方ない」と決めつけず、症状が続く場合は一度医療機関にご相談ください。
当院では、胃痛、胃もたれ、食欲不振、腹痛、下痢などの消化器症状について診療を行っています。症状に応じて血液検査、腹部超音波検査、胃カメラなどの検査を検討します。