2026年7月21日
胆のうポリープとは
胆のうポリープとは、胆のうの内側にできる隆起(できもの)の総称です。
健康診断や人間ドックの腹部エコー(超音波検査)で偶然見つかることが多く、日本人の5〜10%程度に認められるといわれています。
「ポリープ」と聞くとがんを心配される方が多いですが、ほとんどは良性です。しかし、一部には胆のうがんの前段階や胆のうがんそのものが含まれることがあるため、大きさや形によっては定期的な経過観察や手術が必要になります。
胆のうポリープの種類
コレステロールポリープ(最も多い)
胆のうポリープの約70〜90%を占めます。
胆汁中のコレステロールが胆のうの粘膜に沈着してできる良性のポリープで、がんになることはほとんどありません。
特徴
- 小さい(10mm未満)が多い
- 複数できることが多い
- 自覚症状はほとんどない
腺腫
比較的まれですが、一部は胆のうがんへ進展する可能性があります。
大きくなる場合には手術を検討します。
胆のうがん
初期の胆のうがんがポリープとして見つかることがあります。
特に大きさが10mm以上の場合や、短期間で大きくなる場合は慎重な評価が必要です。
症状
胆のうポリープ自体では、ほとんど症状はありません。
多くは健康診断で偶然発見されます。
ただし、以下のような症状がある場合には胆石や胆のう炎など他の病気を合併している可能性があります。
- 右上腹部の痛み
- 食後の腹部不快感
- 背中や右肩への痛み
- 発熱
- 黄疸
診断方法
腹部超音波検査(腹部エコー)
最も重要な検査です。
ポリープの
- 大きさ
- 数
- 形
- 茎の有無
- 表面の性状
などを評価します。
CT検査・MRI(MRCP)
10mm以上のポリープや、悪性が疑われる場合には追加検査を行うことがあります。
超音波内視鏡(EUS)
通常のエコーでは判断が難しい場合には、胃カメラの先端に超音波が付いた超音波内視鏡(EUS)で詳しく観察することがあります。
胆のう壁やポリープの内部構造を詳細に評価でき、良悪性の判断に役立つ検査です。
手術を検討する目安
一般的には以下のような場合に胆のう摘出術が検討されます。
- 10mm以上
- 急速に大きくなる
- 茎がなく盛り上がるタイプ(広基性)
- 血流が豊富
- 単発である
- 胆石を合併している
- その他の情報から悪性が疑われる
一方、5mm以下のコレステロールポリープと思われるものでは、経過観察となることがほとんどです。
経過観察について
小さなポリープであっても、大きくなることがあるため定期的な超音波検査が勧められます。
一般的には
- 5mm以下:6〜12か月ごとの超音波検査
- 6〜9mm:より慎重な経過観察
- 10mm以上:手術を含めた精密検査を検討
となります。
経過観察の間隔は年齢やポリープの形状などによって異なります。
当院でできること
当院では消化器内科専門医・内視鏡専門医が診療を行っています。
胆のうポリープが見つかった患者さんに対して、
- 腹部超音波検査
- 血液検査
- 胆石や胆のう炎の評価
- 定期的な経過観察
- CT・MRI・超音波内視鏡(EUS)が必要な場合の適切な医療機関へのご紹介
- 手術が必要と判断された場合の専門病院へのご紹介
まで一貫して対応しています。
健康診断で「胆のうポリープがあります」と指摘された方や、以前から経過観察中で今後の方針について相談したい方も、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q. 胆のうポリープはがんになりますか?
ほとんどは良性のコレステロールポリープで、がんになることはありません。
ただし、一部には腺腫や胆のうがんが含まれるため、大きさや形によっては精密検査や手術が必要になることがあります。
Q. 食事で治りますか?
残念ながら、食事だけでポリープが消えることはありません。
しかし、脂質異常症や肥満の改善は胆のうの健康維持に役立つため、バランスのよい食生活を心がけましょう。
Q. ポリープがあるとお酒は飲めませんか?
通常の良性ポリープであれば、適量の飲酒が直接悪影響を及ぼすという根拠はありません。
ただし、脂肪肝や肝機能障害など他の病気がある場合には、飲酒量について主治医と相談することをおすすめします。
Q. 胆のうポリープと胆石は違いますか?
はい、異なります。
胆石は胆のうの中を動く「石」ですが、胆のうポリープは胆のうの壁から隆起している病変です。超音波検査では区別できることが多く、それぞれ治療方針も異なります。